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ト・プローヴァト

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パプーシャの黒い瞳 3

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ジプシー民族というものは、独自のなにかしら生命力をおびたDNAを持っていると思う。

それでいて何事も握り締めない強さも。

彼らの特に音楽をするひょうひょうとしたたたずまいからその魅力を感じられるのは私だけだろうか。


うつろいゆく…諸行無常の…それこそお釈迦様スタイルなのではないか…

書き文字を持たずして成り立たせていた生活が当たり前だった中に、ひたすらに書きまくりたくてしょうがないという彼女は、当時あまりにも異質すぎたのだろう。。



迫害を受け、移動を続けることを余儀なくされた民族にとって、その環境下で生きる術を見つけ、厳しさの中で彼ららしいオリジナルの生活をしていくことに何よりも誇りを持ち、集団意識や団結力も強くなっていったのではないかとうかがえる。

そうして彼らの築き上げた文化や、持って生まれた性質の中には、書き文字を持たないということがルールに含まれたというよりも、自然と必要とされなかったのではないだろうかと私には思えてくる。

そして時代の流れとともに、常に差別され、追い出されていたかと思うと今度は強制的に定住を求められる…という彼らのアイデンティティーに関わる大きな時代の動きの中にいたため、仲間意識や、今まで築き上げられてきた誇りを大きく揺るがされ、フラストレーションの溜まる時期にさしかかっていたのではないだろうか。

まして、ジプシーに限らず男尊女卑の色濃い時代。

パプーシャは、非難され全作品を焼き捨て、精神の居所を無くし病み、書くことをやめ、孤独な晩年を過ごした。

映画の中では、それでも彼女を戒めるような厳しい空気が漂っていた。。
by toprobato | 2015-09-18 20:36 | しぜん